アフリカ開発会議:閉幕 サミットへ課題露呈 温暖化、「評価」に後退

  • 2008/05/31(土) 00:00:00

30日閉幕した第4回アフリカ開発会議(TICAD4)は、7月の北海道洞爺湖サミットに向け、日本政府に課題を突きつける会議となった。サミットの重要議題である地球温暖化対策でアフリカ諸国の日本への「支持」を取り付けて弾みにすることを狙ったが、主要文書「横浜宣言」での支持明記が最終段階で見送られるなど、抵抗の根強さも浮き彫りになった。【鵜塚健】

 「アフリカ諸国から構想を評価するという表明で大変元気づけられた」。福田康夫首相は閉幕後の記者会見で強調した。

 しかし、アフリカ最大の排出国の南アフリカが日本のクールアース推進構想の「2050年に排出ガス半減」という部分に難色を示したため、横浜宣言の草案にあった「支持」は削除され、「評価する」に後退した。

 日本政府が支持にこだわったのは、規制が経済成長を阻害するという警戒感が強い途上国の動向がポスト京都議定書の枠組み作りでカギとなっているためだ。アフリカ諸国をまとめれば、温暖化防止に消極的な中国などもけん制できるという思惑だった。南アはサミットの温暖化防止拡大会合に参加するため、サミットでの議論にも影響しそうだ。

 「温暖化で影響を受けるのは脆弱(ぜいじゃく)なアフリカ。開発は停滞し、貧困は加速するばかりだ」。温暖化防止策について討議した28日の全体会合で、東アフリカの小国ジブチのゲレ大統領は途上国への配慮を強く求めた。

 ◇議長総括<要旨>
 30日に閉幕した第4回アフリカ開発会議で発表された議長総括の要旨は次の通り。

       ◇

 <開発>アフリカが順調に経済成長しているという理解を共有した。平和や人権の尊重、法の支配は持続的成長の前提。道路、港湾、電力などのインフラの重要性を確認。民間部門を重視。食糧高騰に対応することが重要。日本の緊急食糧支援を歓迎する

 <人間の安全保障>「万人のための教育」を進める。学校建設、職業技術教育や中高等教育が重要。母子保健やエイズ・結核・マラリアなど感染症対策の強化

 <平和の定着>アフリカの平和の進展で、平和の配当が全人口に行き渡ることを重視。安全確保のためのアフリカ連合の主導を歓迎する。選挙実施機関の能力向上や人権保護が重要

 <気候変動>気候変動に弱いアフリカ諸国には支援が必要。コンゴ盆地などの森林保全、砂漠化防止に具体的な取り組みが必要。アフリカ諸国は日本の「クールアース推進構想」を評価

 <パートナーシップ>南南協力など、アジアとアフリカの協力推進を期待。市民社会との対話を推進する

毎日新聞 2008年5月31日 東京朝刊

気温:大都市ほど上昇 東京2.62度、名古屋1.85度 1月平均、50年前と比べ

  • 2008/05/31(土) 00:00:00

 東京の1月の平均気温が50年前より2・62度上昇するなど、大都市ほど気温の上昇率が高くなる傾向があることが気象庁の観測で分かった。年間の熱帯夜(最低気温25度以上)の増加や、冬日(最低気温0度未満)の減少も著しい。大都市では地球温暖化に加え、ヒートアイランド現象の影響を強く受けていることが浮き彫りになった。【樋岡徹也】

 気象庁が07年までの観測データを分析。1月の平均気温は、過去50年間で▽東京2・62度▽札幌2・02度▽名古屋1・85度−−それぞれ上昇し、大都市で軒並み高かった。大気の動きが活発化して熱がたまりにくい夏より、冬の方が気温上昇がより顕著だという。一方、長野市や水戸市など中小都市17地点は平均1・06度の上昇にとどまった。

 また、過去10年間のデータを分析した結果、熱帯夜の年間増加日数は▽福岡5日▽東京3・7日▽名古屋3・6日−−。逆に冬日は▽東京9・5日▽名古屋7・8日▽福岡6・2日−−減った。

 気象庁気候情報課は「都市の高温化は、温暖化に伴う世界の平均気温上昇の数倍の速度で進んでおり、生活環境の悪化や生態系への影響が懸念される。今後もデータの詳細な解析を行い、ヒートアイランド対策を進めたい」と話している。

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 ◇大都市部の気温などの変化◇
    1月平均気温上昇 熱帯夜の年間日数 冬日の年間日数

札幌  2.02度    増減なし     4.9日減

東京  2.62度    3.7日増    9.5日減

名古屋 1.85度    3.6日増    7.8日減

大阪  1.40度    観測所移転のためデータなし

福岡  1.79度    5.0日増    6.2日減

 *1月平均気温は過去50年間、熱帯夜と冬日は過去10年間

毎日新聞 2008年5月31日 東京朝刊

地球温暖化:2030年の日本、被害年1兆円増−−14機関共同研究

  • 2008/05/30(金) 00:00:00

 大学や国立研究所など14機関の研究チーム「温暖化影響総合予測プロジェクト」(代表=三村信男・茨城大教授)は29日、地球温暖化が及ぼす国内の被害予測結果を発表した。2030年には、豪雨増加による河川のはんらんで被害額が現状より年間1兆円増えるほか、東京、大阪、伊勢湾岸と西日本で高潮による浸水が2万9000ヘクタールに及び、52万人が被害を受けるなど甚大な災害が起きる可能性があると推定している。

 水資源、森林、健康などの分野別に、研究者44人が温暖化の影響を初めて総合評価した。温室効果ガス削減が進まない最悪のシナリオを基に、平均気温は30年に90年比で1・9度上昇するなどの仮定で試算した。

 その結果、「100年に1度」の集中豪雨が30年には「50年に1度」の確率に増え、特に三重、高知県などの太平洋沿岸や北陸、中国地方などの山間部で洪水被害が広がることが判明。東京、大阪など大都市圏も洪水が避けられず、被害額は急増すると試算した。また台風の強大化と海面上昇が進み、高潮による浸水面積が拡大。浸水被害を受ける人口は00年(29万人)の倍近い52万人に及ぶと推計した。

 気候変化による森林への打撃も深刻で、今世紀半ばにはブナ林が現在の44%と半分以下の面積に減少し、西日本や本州の太平洋側ではほとんど消滅。世界遺産の白神山地(青森、秋田県)のブナ林も、今世紀末ごろにはなくなってしまうと考えられるという。

 研究グループはこのほか、熱中症や光化学スモッグによる死亡リスクの増大も指摘。気温が一層高まる2100年には、感染症のデング熱を媒介するネッタイシマカが、千葉県南部まで北上するとしている。

毎日新聞 2008年5月30日 東京朝刊

全国知事会:温暖化で提言

  • 2008/05/29(木) 00:00:00

 全国知事会は地球温暖化対策に関する国への提言をまとめ、28日に鴨下一郎環境相に提出した。7月の北海道洞爺湖サミットに向けた「特段の措置」として、神戸市での主要8カ国(G8)環境相会合では打ち出せなかった温室効果ガス削減の日本の中長期目標を、早期に策定するよう求めている。

毎日新聞 2008年5月29日 東京朝刊

アフリカ開発会議:参加国「温暖化で被害」強調

  • 2008/05/29(木) 00:00:00

横浜市で開かれている「第4回アフリカ開発会議(TICAD4)」は28日、全体会合を開き、貧困削減と温暖化防止について議論した。TICADで温暖化防止が主要議題となったのは初めて。日本は7月の北海道洞爺湖サミットに向けて、温暖化防止の枠組み作りへアフリカ諸国の支持を固めるのが狙いだったが、各国からは、温暖化が食糧高騰や貧困化を加速させる原因にもなっているという意見が相次いだ。

 ムンベンゲグウィ・ジンバブエ外相は「南部アフリカは干ばつや洪水など近年、気まぐれな気候の変動に振り回され、農業生産も脅かされている」と発言。温暖化問題に対する各国の意見はいずれも「被害者の立場」を強調するトーンだった。

 アフリカ連合の議長国タンザニアのキクウェテ大統領は、日本が提唱する途上国向けの総額100億ドルの温暖化防止資金の「クールアースパートナーシップ」について「一定の比率をアフリカのためにとってほしい」とくぎを刺した。【鵜塚健】

毎日新聞 2008年5月29日 東京朝刊