身近なことから環境問題考える 毎日新聞社で17日 /東京

  • 2008/07/14(月) 00:00:00

 ◇守乃ブナさん講演
 身近なことから環境問題について考える「普通の人のための連続エコ講座」が17日、千代田区一ツ橋のパレスサイドビル1階「毎日新聞水と緑の地球環境本部」で開かれる。

 今回は、ラジオDJなどとして活躍中の守乃ブナさんが、「和の精神で涼しく」をテーマに講演する。守乃さんは「ミュージックプラザ」や「ポップス・ベストテン」などFMラジオ番組のDJを務める傍ら、京都きものコンサルタント協会の1級師範を取得するなど、“和”の生活にも精通している。

 講座は午後6時半から同8時まで。先着30人で無料。参加者にはエコバッグを進呈。事前の申し込みが必要。住所、氏名、連絡先を明記の上、エコロジーオンライン事務局(電話03・3584・2133、ファクス3586・8010、電子メールinfo@eco−online.org)まで。【佐藤岳幸】

〔都内版〕

毎日新聞 2008年7月5日 地方版

暖かな破局:番外編 エコライフのつくり方 快適に省エネ

  • 2008/07/13(日) 00:00:00

国内の温室効果ガス排出量は、06年度で13億4000万トン(二酸化炭素=CO2=換算)。京都議定書に定められた基準年の90年度から6・2%増加した。なかでも家庭部門は同30%増の1億6600万トン。家電の大型化や多様化、小規模世帯の増加が原因だ。生活の豊かさとCO2削減の両立は可能なのか。連載「暖かな破局」番外編では、今日からでも始められる温暖化対策の実践例を紹介する。【温暖化問題取材班】

 ◆行動編・大阪府の三澤さん

 ◇待機電力を徹底カット→電気代、月2770円
 ◇窓に「ゴーヤのすだれ」→室温、5度低下
 「葉が育って窓を覆うと、いいすだれになるんですよ」。大阪府阪南市の主婦、三澤友子さん(53)は、台所の窓の向こうで伸びるゴーヤの成長が楽しみだ。成長が速いツル性植物をすだれ代わりに使う「緑のカーテン」。夏の日差しが遮られると、室内の温度が5度は違うという。

 夫(54)と長女(26)の3人暮らし。標準的な家庭に比べると水道や光熱費が半分以下に抑えられ、「全部で1万円あればおつりがくる」省エネ生活を送る。待機電力と直射日光、ガソリン使用を徹底的に減らすのがカギだ。

 午前中は、東側7カ所の窓で雨戸まで閉め、日光を通さない遮光カーテンを引く。午後は、西側の3カ所の窓と玄関を同じように遮光する。日が暮れると遮光カーテンから網状のカーテンに替え、窓を開けて自然の風を取り入れる。

 どのコンセントにも、スイッチ一つで家電の待機電力をカットする「テーブルタップ」を付けている。「操作はスイッチ一つで簡単。古い家電では待機電力だけで1割も消費する場合もある。こまめにオフにすると効果は大きい」。洗濯機置き場など、単独の家電しか使わないコンセントにも取り付ける徹底ぶりだ。

 軽乗用車が1台あるが、週末のまとめ買いに使うくらいで、平日は乗らない。以前は1カ月のガソリン代を4000円と決めていたが、最近のガソリン価格上昇で足りなくなった。目安を給油量に替え、1カ月30リットルに抑えているが、1リットル180円時代への突入で5000円を超えそうだ。

 このほか、テレビはこまめに消してラジオを活用する▽風呂は続けて入る▽追いだき、足し湯はしない▽洗濯は風呂の残り湯を使う▽エアコンの稼働時以外はブレーカーを落とす−−を実践。「何も我慢してない」というが、6月の電力消費量は143キロワット時、料金は2770円で済んだ。

 省エネ生活を意識し始めたのは8年前。理事を務めるNGO(非政府組織)の勧めで「環境家計簿」をつけ始めてからだ。電力、水道、ガス、ガソリンなどの1カ月の使用量をパソコンに入力すると、CO2の排出量を把握し、過去の実績や他の家庭と比較できる。「前年同月と比較して増えると、原因を考えるようになった」

 家電の買い替えでもパンフレットを徹底的に比較し、最も省エネの商品を選択する癖もついた。6年前、17年間使っていた冷蔵庫を省エネタイプに替えた際は、電気代が1カ月に2000円も下がり、「買い替えの威力」を実感したという。

 カボチャにトマト、トウモロコシにオクラ……家庭菜園も好きで、夏は食べきれないほど食卓に並ぶ。地元の食物を食べて輸送にエネルギーを使わない「地産地消」型の省エネだ。

 「省エネ生活って快適。楽しくて、やめられません」【江口一】

 ◆建築編・東京大の小宮山学長

 ◇壁に厚さ7センチの断熱材 電力の6割、太陽光発電
 ◇エネルギー消費、5分の1に
 家庭の消費エネルギーを8割減らした「エコハウス」が東京都世田谷区にある。木造2階建ての外壁は、明るいグレーのモダンな雰囲気。東京大学長の小宮山宏さん(63)が妻潔子さん(61)と2人で暮らす。02年に完成した。延べ床面積は旧宅から倍増の約200平方メートルだが、消費エネルギーは以前の年間2万キロワット時から、年間4000キロワット時に減らした。

 「エネルギーを無駄にしないのが秘訣(ひけつ)。せっかく部屋を冷やしたり暖めても、その空気が外に逃げては何にもならない」と小宮山さんは説明する。2階の居間の壁に設けた扉を開けると、厚さ約7センチの黄みを帯びた断熱材が見える。約20カ所ある窓はすべて二重にした。おかげで、熱が特定の場所にこもりにくく、案内された部屋の室温はどこもほぼ同じで、快適だった。

 エネルギー源も自分で確保できるよう技術の粋を集めた。屋根には太陽光発電パネル24枚を並べ、必要な電力の約6割を賄う。空気を熱源に冷却・加熱するヒートポンプも備えた。

 買い替え期を迎えたエアコン、冷蔵庫は省エネ型製品を選び、車もハイブリッドカーを購入した。潔子さんは「まだ使えるのに、買い替えなんてもったいない」と考えたが、「資源はリサイクルされる。重視しなければいけないのはエネルギーの無駄遣いだ」と説き伏せた。

 太陽光発電パネルなどで国から約48万円の補助金を受けたが、自己負担は約377万円に上る。しかし、電気代やガソリン代が4分の1に減ることもあり、12年で回収できるという。小宮山さんは「原油高騰でもっと早く元が取れるかもしれない」と、低炭素社会の到来を実感する。【田中泰義】

==============

 <家庭で手軽にCO2削減マニュアル>

 ■冷暖房

 ◆家族生活

 ◇同部屋で一家だんらん→238キロ
 家族が同じ部屋で過ごして、暖房と照明の利用を2割減らせば、年間238キロのCO2削減になる。家族のきずなも強まる。

 ◆エアコン

 ◇設定温度を1度抑える→33キロ
 室温を夏は28度、冬は20度を目安にしよう。暖房を年間169日(1日当たり9時間)、冷房112日(同)使用している場合、設定温度を1度変えると、CO2は年間33キロ減る。フィルターを1カ月に1〜2回掃除するとさらに省エネだ。

 また、衣服を着込むと、体感温度が上がり、暖房の使用を減らせる。上昇幅はカーディガンで2.2度、ひざ掛けで2.5度、ソックスで0.6度になる。

 ◆シャワー

 ◇1人で1日1分間短縮→69キロ
 お湯を流しっぱなしにしない。1日1分、3人家族の全員が使用時間を短くすると、年間69キロのCO2削減になる。

 風呂につかる場合は、残り湯を洗濯などに活用しよう。市販の専用ポンプを使うと便利だ。年間7キロのCO2削減になる。

 ■家電製品

 ◆照明

 ◇白熱電球やめ蛍光灯に→34.4キロ
 白熱電球(54ワット)を電球型蛍光灯(12ワット)に交換すると年間でCO2は34.4キロ減る。

 ◆テレビ

 ◇1日1時間視聴減らす→30キロ以上
 主電源をこまめに切る。画面の明るさや音量を調節しても効果あり。プラズマテレビ32インチの場合、視聴時間を1日1時間減らすと、年間でCO2を30キロ以上減らせる。パソコンでは、「モニタの電源オフ」から「システムスタンバイ」に変えると、デスクトップ型では年間5.2キロのCO2を減らせる。スクリーンセーバーは省エネにならない。

 ◆温水トイレ

 ◇使わない時ふた閉める→14.3キロ
 使わないときはふたを閉めよう。開けっ放しにした場合に比べ、年間14.3キロCO2を減らせる。便座暖房や洗浄水の温度を低めにし、寒い季節だけ使うことで、さらに省エネできる。

 ■外出時

 ◆自動車

 ◇アイドリング停止5分→39キロ
 1日延べ5分間のアイドリングストップを年間に240日実行すると、39キロのCO2削減になる。5秒間の実行でも効果あり。このほか、アクセルをゆっくり踏んで発進したり、加減速の少ない運転、早めのアクセルオフも効果大。

 ◆公共交通

 ◇週2日、車通勤をやめる→184キロ
 通勤や買い物にバスや鉄道、自転車を利用しよう。

 自家用車の運転を週2日往復8キロやめると、年間では、184キロのCO2を減らせる。

 ◆買い物

 ◇エコバッグを持ち歩く→58キロ
 買い物袋を持ち歩こう。4人家族が3日分の食料品を購入する場合、市場などで包装の少ない食品を選び、レジ袋やトレー、ラップなどのごみを出さなければ、年間約58キロのCO2削減になる。

 ■キッチン

 ◆冷蔵庫

 ◇設定を「強」から「中」に→70キロ
 モノを詰めすぎない▽無駄に開閉しない▽開ける時間を短く▽設定温度を「強」から「中」に▽壁に密着させない−−の工夫をすれば、CO2は年間70キロ近く減る。電気代も年3500円以上節約できる。

 ◆炊飯器

 ◇残りご飯の保温やめる→34キロ
 保温は大量の電力を消費する。冷えたご飯を電子レンジで温め直した方が、ジャーで保温したより年間34キロのCO2削減になる。

 ガスコンロは、炎が鍋底からはみ出さないように調節する。1日3回、水1リットルを沸騰させる場合、強火を中火にすれば年間5.5キロのCO2削減になる。鍋の水滴をふき取ってコンロにかけよう。

 ◆食器洗い

 ◇手洗いよりも機械使用→25.3キロ
 食器をまとめて、食器洗い乾燥機を使えば、手洗いより年間で25.3キロもCO2が減る。洗浄終了後、扉を開けて余熱だけで乾燥させればさらに省エネだ。

 (すべて実行すれば、現状の16%(847キロ)削減可能です)

==============

 ◆地球温暖化問題に取り組む非政府組織(NGO)

 ▽A SEED JAPAN

 http://www.aseed.org/

 ▽環境エネルギー政策研究所

 http://www.isep.or.jp

 ▽「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

 http://www.jacses.org/index.html

 ▽世界自然保護基金(WWF)ジャパン

 http://www.wwf.or.jp/

 ▽地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)

 http://www.bnet.jp/casa/index1.htm

 ▽気候ネットワーク

 http://www.kikonet.org/

 ▽コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

 http://www.conservation.or.jp/

 ◆省エネ暮らしに役立つホームページ

 ▽財団法人 省エネルギーセンター

 http://www.eccj.or.jp/

 ▽全国地球温暖化防止活動推進センター

 http://www.jccca.org/

 ▽地球温暖化防止のための国民運動「チーム・マイナス6%」

 http://www.team‐6.jp/

 財団法人・省エネルギーセンターの「家庭の省エネ大事典」や全国地球温暖化防止活動推進センターの「家庭でできる取組み10項目」などから作成。グラフの合計は端数処理のため一致しません。

毎日新聞 2008年7月12日 東京朝刊

ハイブリッド車:業務用にも拡大 メーカー各社、燃費の良さアピール

  • 2008/06/04(水) 21:33:24

 ◇コマツ・油圧ショベル/日野自・観光バス/川重・路面電車
 乗用車で普及が進むハイブリッド車が、建設機械やバスなど業務用車両にも広がっている。メーカー各社はハイブリッドの燃費の良さや静かさをアピールし、開発・販売を強化している。【宮島寛】

 建設機械最大手のコマツは昨年、世界初のハイブリッドのフォークリフト「バッテリーハイブリッドフォークリフト」を発売した。目玉は燃費の良さだ。フォークリフトは電動式とエンジン式があり、昼夜を問わず使われることが多く、多量の電気やガソリンを消費するが、トヨタ自動車の「プリウス」と同様、ブレーキで生じるエネルギーを電気に変えて再利用する。

 従来の電動式と比べ、消費電力は2〜3割削減できるという。価格は396万〜490万円と従来型の3割高だが「5〜6年で元が取れる」(広報)といい、これまで約400台を販売した。輸出も検討している。

 同社は6月、ハイブリッド版の油圧ショベルも発売。ショベルの旋回を止める際のエネルギーをエンジンの補助動力に転用し、燃費向上につなげている。

 日野自動車は5月、ハイブリッドの観光バス「セレガハイブリッド」を11年ぶりに全面改良した。初代モデルは3195万円(税抜き)と当時としては高額で、販売は88台にとどまった。新型は4118万円(同)だが、燃費をディーゼル車より5%向上させ、燃料高などを背景に「需要増が見込める」と判断。モーターの性能も高め、発進時などの音を大幅に低減した。乗り心地がよく、豪華バス向けの需要を狙う。

 川崎重工業は、ブレーキのエネルギーを電気に変えるハイブリッド技術を取り入れた路面電車「SWIMO(スイモ)」を開発中だ。大型バッテリーを車内に積み架線がいらない。同社は「初期投資が抑えられ、景観も良くなる」とし、来年の実用化を目指す。路面電車は、京都市や堺市などで導入検討の動きがあり、自治体に売り込みをかける考えだ。

毎日新聞 2008年6月4日 東京朝刊

けいざいフラッシュ:百貨店の冷房温度を引き上げ

  • 2008/06/04(水) 21:32:54

 日本百貨店協会は、加盟する百貨店93社266店舗で7月7日から1カ月、冷房設定温度を2度程度引き上げる。北海道洞爺湖サミットに合わせ地球温暖化への取り組みを訴える。設定温度は26〜28度の見通し。食品売り場などは例外となりそうだ。期間後は各社が判断する。同協会は「秋物商戦が本格化する8月以降に、夏の環境対策を強調するのは難しいかもしれない」と話している。

毎日新聞 2008年6月4日 東京朝刊

もっと知りたいエコロジー:いまこそ森を健康に 高知・土佐龍に学ぶこと

  • 2008/05/21(水) 21:27:03

5月も終盤、スギ花粉も落ち着いてきた。毎年花粉症が相当つらい。春がまったく楽しめない。「ああ、お花がきれい、春だわ?」とうっとりするのも束の間、次の瞬間くしゃみ連発にみまわれる。こんなにたくさんのスギを植えるなあ、と腹立たしくもなる。

 「でもね、スギが悪いわけじゃないんですよ。適材適所の植林をしないからですよ」と話すのは高知県にある株式会社「土佐龍」社長の池昇龍さん。

 「土地の気候によって生えてる木は違うでしょ。その土地にあってるものを植えないといけない。それなのに戦後たくさんのスギを日本中に植えてしまった。スギも慣れない土地で子孫を残そうと必死なんです。それで花粉をたくさん飛ばすんですよ」

 いま、日本の森林には手入れされず放置されている木がたくさんある。先日、東京の奥多摩に行ったのだが、いたるところにスギをはじめとした木々でうっそうとしている。こんなに木が多いのにと思うが地元の人に聞くと、たくさんあっても手入れされてないからひょろひょろで力のない木ばかりなんだとか。20〜30年経過した老木は思ったよりもCO2を吸収しない、むしろ排出してしまうともいわれている。CO2吸収に効果があるのは若くて元気な木なのだ。

 「ぼくはね、森林を健康にしたい。そのために地元のヒノキを手入れし間伐材などを利用して製品をつくっているんです」と池さんは言う。

 土佐龍の商品はヒノキの特性を生かしたものばかり。ヒノキにはアルファピネン、ボルネオールという成分が含まれていてカビや雑菌を防ぐ働きをする。こうした特徴を活かし、まな板やテーブルウェアと呼ばれるプレートがつくられた。白磁の食器とヒノキの組み合わせがおしゃれなプレートはふだんの食事をかなりゴージャスに演出もしてくれる。

 お風呂周りの小物も充実している。見ているだけでもステキなキャンドルバーや石けんおきのソープレストが並ぶ。お風呂はただ汚れを落とすところだけでなくリラックスの場にもなってほしい、との考えからこれらの商品が生まれた。浴室にヒノキのいいにおいがたちこめる。抗菌パワーも発揮され一石二鳥だ。

 土佐龍では間伐材はもちろん、製品を作るときにでる端材や木片など副産物も利用している。その中のひとつがアロマグッズだ。リラックス効果があるとされるフィトンチッドをたくさん含むヒノキの粒を入れた枕。木の粒のほどよい固さと香りで快適な眠りを誘うのと、ヒノキの防虫効果でダニなどをよせつけないのもうれしい。

 他にも、本当だったら捨てられてしまうヒノキの節の部分を使ったアロマブロックの入浴剤も人気がある。節は油脂分が多いため、これでかかとをなでるガサガサがつるつるになるのだそう。

 昨年5月、2005年度分の森林整備によるCO2吸収量が目標値に届いていなかったとの発表が政府からあった。これまでよりさらに森林を活性化し健全な木を育てていく必要がある。

 池さんの言葉が心にひびいた。

 「自分たちのためでもありますからね。森を大事にするということは」。

(環境ライター・鞍作トリ、写真提供・Yoko Lewis<土佐龍>)